| HOME >> NEWS >> EPO東北の取り組み >>2006-2009年度 >> 生物多様性 | ||||||||||||
| 生物多様性 | ||||||||||||
東北の豊かな自然や生物多様性について、2010年に名古屋で開催されるCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)も意識しながら、環境省や学術機関などと連携をとり、わかりやすい発信に取り組みました。
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| 2009/10/21 EPOサロン 「人間の生活と水族の多様性保全〜いつまでも美味しい魚介類を食べるために」 | ||||||||||||
| 日時:2009年10月21日(水)18:30〜20:30 会場:EPO東北 講師:木島明博先生(東北大学副学長/大学院農学研究科 教授) |
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夏休みなどに海辺で遊ぶことの好きだった子供時代のお話から、高校での学園紛争のこと、ヒッチハイクで東北にいらしたこと、大型哺乳類の勉強をしたいと東北大学農学部に入学し、そこで海洋系水産系へ進路を決めたエピソードなどを交えたお話でした。とても気さくな先生に、会場から何度も笑みがこぼれるすてきサロンでした。太白区日辺付近で合流している名取川と広瀬川のスジエビは、約5〜6万年前に別れ、氷河期で隔離された歴史があるそうです。蒲生のカニは調べたら2種類に分かれていたことなどから、遺伝子を調べることで、海の生き物は同族にしているけれど、実は別種である場合があることが分かります。新種を発見することは資源を管理することになり大切なことだそうです。 ナマコの研究については、これまで成長の様子がわからなかったので生態が全然わかっていませんでした。研究を始めてみたら伸縮するため正確な体長を測ることができない、体重を測ろうとすると水を出すなど困難なことが多かったようです。個体識別ができないため赤いナマコと青いナマコは色が連続していて1種類だとされていました。表面の色素を測ることにより、アオとクロ型、アカ型とはっきり分かれたそうです。養殖などの資源の利用において、遺伝子から重要な情報を得ることができるそうです。 次に、シジミについてのお話しになりました。産地偽装問題が起こりましたが、中国産のものが安いので、青森県の十三湖や小川原湖にトラックで運んできたタイワンシジミを放流することがあるそうです。一度放流したら遺伝的かく乱がおこり大変なことになるので、どうやってやめさせるか考えました。科学的なデータで証明できたそうで、日本にはセタシジミとマシジミがいて、韓国と地史学的につながっていました。東アジアでのシジミのDNA検査でいろんなタイプがいることがわかり、また、遺伝的な多様性が保たれていることがわかったそうです。また、日本の一部のスーパーの「国産」と表記されていたシジミには、15個体のうち4個体、中国産が混ざっていたそうです。生物種が変わってしまうかもしれないので、生物学的に他の地域のものを入れてはいけない、外国産は外国産と産地を偽らずに販売しましょう。また、自然資源を守りながら食べていけたら良いのではないかというお話でした。 以下はいただいた感想からの抜粋です。 ○今まで、ナマコの話を聞いたことがなかったので非常に興味深かった。また、シジミの産地についての調査方法が確立されていたことを初めて知った。 ○専門的な内容だったが、およそ理解できてよかった ○非常にわかりやすく勉強になりました。ありがとうございました。 ○とても興味深く拝聴いたしました。木島先生のお作はこれで二度目ですがいつもわくわくしながら伺っています。 ○遺伝学の研究が産地の偽装まで及んでいるとは思いませんでした。 |
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| 2009/7/7 EPOサロン 「毎日の生活と生物多様性 −生態系サービスの考え方−」 | ||||||||||||
| 日時:2009年7月7日(火)18:30〜20:30 会場:EPO東北 講師:中静 透 氏(東北大学大学院 生命科学研究科 教授) |
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中静先生からは、絶滅危惧種や外来種についてとは違う観点からお話しいただきました。生物多様性はわかりにくいと言われ、それは自分たちの生活にどういう意味があるのかわからないためです。 「生態系サービス」というのは、最近使われるようになってきた言葉で、2001-2005年にMA(ミレニアム生態系評価)が行われたときのものです。生態系サービスとは、人間が生態系から得る利益のことです。(テニスのサービス、人が誰かに仕えるという意味に近いもの)それは4つに分類されているそうです。 ・物質の供給:生態系からいろいろなものがもたらされる ・調節:森林があることで気温が調節される、病気、無毒化、洪水制御など ・文化:精神性(宗教)一神教や多神教、レクリエーション、景色、発想(昆虫のセンサーを観察して浮かぶ など)、教育、お祭り(収穫祭、病気・疫病を鎮める)、象徴性(トキなど) ・支持基盤:他の生態系サービスを支える 生物多様性の恵みの例をいくつか紹介されました。まず、人が一食で何種類ぐらいのものを食べるかについては、ある旅館の料理で、植物25、動物13、菌類3〜 合計50種類以上になったとのこと。 また、お酒では、酒米は品種が異なり、麹の遺伝的な変異があります。 熱帯林における多様な森林資源の利用や(マレーシアなど)、木材以外の林産物(香木、ラタン)で森から収入を得ています。 薬は、植物と虫の関係から作られるものです。なぜ植物が化学物質を作るのかというと、虫に食べられにくいものを作った結果です。 INBio(企業とコスタリカ)の例、バイオプロスペクティング(生物資源の中から有用な遺伝資源を発掘すること)では、地域住民が協力して生物多様性情報の収集を行っているそうです。 供給サービスと生物多様性では、いろいろな食物、など「いろいろ」と言うときに生物多様性が大事になります。多様性が高いと生産力も高くなります。 調節的サービスでは、たとえば、お米の遺伝子レベルの多様性。昔は東北では米は取れなかったものが、交配によってとれるようになりました。(今は遺伝子組み換えもある)田んぼに何種類かのお米を植えることで、病気を抑えられるそうです。実際にはなかなかできないことではありますが、強い弱い品種が混ざっていると、広がっていかないためです。 害虫が大発生しないメカニズムには、青虫の天敵の寄生蜂の存在があります。これらは雑木林を伐採したばかりのところに多く、里山の生き物です。杉林が増えた(雑木林が減った)ことで、寄生ハチの多様性が衰退したそうです。無農薬、減農薬で天敵を利用する方法があり、畑で天敵が少なくなっているかもしれないと言われました。 ミツバチは送粉者(花粉の運び手・ポリネータ)で、いないと作物ができません。リンゴの受粉には、業者がハチを売っています。ナシは人間がポリネータとなっており、コストがかかっているのです。 野生のポリネータがいなくなると、農作物が影響を受けることになります。とても重要な役割を果たしているそうです。 コーヒー園では、森林に住んでいるハチが花粉を運ぶのですが、農園の真ん中は結実率が下がっています。周りに森林を残しておくことで利益を得ることができ、サービスを受けていることになります。 昔は、木を伐採して植えていたものがなくなり、植生は同じでも林の高さが変化しているそうです。スギが成長することで林が暗くなり、ウサギのえさ量の変化から野兎の捕獲量が減少しています。造林年数(スギ・ヒノキ)と並行して若い林がなくなり、背の低い植生の場所がなくなっているそうです。 イヌワシの研究では雛が減っており、殺虫剤?の影響で、餌を獲る場所がなくなっているのではとのこと。 また、森林伐採量が減ったことで、シカ、カモシカ、サルの被害が増加しています。餌を獲る場所が減ったことや、生物多様性を減らしてしまったことが原因ではないか? 調節的サービスについては、多様性が高いと病気が発生しにくくなります。植物の多様性を高くすると病気の発生量が減る−増えない。生き物が単純になると病気が生まれます。松枯れなども、普通は松はポツポツと生えているものが、人間がたくさん植えたため病気の被害が出るということです。マダラカミキリを殺す薬(他の虫も殺す)は、お金もかかっています。同じ品種を植えないことで、広がらないように壁を作ることができ、多様性につながります。 人間の病気では、最近の豚インフルや鳥インフルがあります。ウィルスは家畜に移り、何万頭もいる中で新しい病気が生まれるのです。安い鶏肉を作ったけども、病気がたくさん発生するリスクがあり、コストもかかっています。シンプルすぎるものはリスクが高いということです。 多様性が保たれていることに、コストを払っている意識がなく、経済的な評価がされていません。これは重要なことです。 文化的サービスは、人間の精神的な部分にかかわるものです。例として、地方の文化などがあります。地域に特有な、例えばマレーシアやケニアのデザイン、そして日本のデザイン(松、竹、桐など)なども、意識していないけど関わっています。日本の伝統色は生き物や樹木の名前に倣ったものが多くあります(6割、7割ある)。文化的に確立してきており、文化の中に生き物が関わっているのです。 たとえば、Jリーグのエンブレムでも、生き物を入れているチームが7割ぐらいあります。その一方、ドイツのチームは3割ぐらい。オリジナル・象徴のデザインのアイデンティティーとして、無意識に大事だと思っているのです。 コスタリカでは、ガイド付きのリフトが往復6000円。生物多様性を利用したエコツーリズムの例ですが、英語と生物の勉強をしてガイドになっています。その土地にしかいない固有な生物が重要です。潜在的には思っているけど、みんな意識していないものです。 生態系サービス間の矛盾として、CO2の吸収のために木を植える場合、どういう植物を植えるかがあります。成長の早いものは、吸収量は大きいが他のサービスについてははどうなるのか。トレードオフの関係です。効果があいまいだと思われています。 今後の4つの環境政策シナリオ、「国際的な調和」「権力による統制」「適応的なモザイク」「テクノガーデン」についても紹介されました。 スターンレビュー(気候変動問題の経済影響に関する報告書)によると、気候変動がこのままだとGDPは30%落ち込むだろうと予想されているそうです。 TEEB(生態系と生物多様性の経済学)では、今、手を打つことが大事ということでした。 質疑応答の際に「貨幣換算できる生態系サービスは一部にすぎない」、お金にならない幸せである。(利益=お金だけではない)という話もありました。 |
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| 2009/5/16 EPOサロン 「生態系を蘇らせる」 | ||||||||||||
| 日時:2009年5月16日 10:00〜16:00 会場:知勝院(岩手県一関市)ほか |
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岩手県一関市にて、「久保川イーハトーブ自然再生研究所」と共催でEPOサロンを開催しました。午前は、多くの希少生物が生息する自然豊かな久保川流域を散策し、午後は東京大学教授の鷲谷いづみ先生(保全生態学研究室)に「生態系を蘇らせる」というタイトルで生物多様性について講演していただきました。鷲谷先生のお話では、地球ではこれまでに6回の生物の大絶滅時代があり、今がその6番目にあたっているということ、人間活動が原因で例外的に大きい絶滅速度であるということです。土地利用や外来生物の影響、化学的な汚染、気候変動などによってです。地球規模の「IUCNレッドリスト2008」 では、哺乳類2割、鳥類1割、両生類3割が絶滅危惧種になっています。1000年間に何種が絶滅したかという絶滅速度が近年急速になり、さらに将来は近年の10倍以上になると言われています。 生き物同士の共生の例として、植物とその花を訪れる昆虫や小動物(ポリネータ)による授粉サービスについて紹介されました。北海道では、セイヨウマルハナバチを授粉昆虫として与えたことで、在来種であるマルハナバチに置き換わってきています。また、アメリカにおける、農薬が一因とされているミツバチの失踪CCD(コロニー崩壊症候群)の例をあげ、効率が良いと考えられてきた今の農業は持続可能ではないのではないかと話されました。「農業分野に限らず短期的な効率性や経済性よりも、持続可能性を重視する価値観への転換が求められている」ということです。その上で、生物多様性は重要な概念です。 環境には容量や限界があり、それに合わせた人間活動が必要になります。1.生物資源の消費 地球の生物生産性の範囲内で営まれること 2.生活によって生じる排出物 有害な水準まで蓄積しないこと 3.生態系サービス(自然の恵み)が持続すること 「生物多様性」というのは、1992年の地球サミットで採択された生物多様性条約でできた言葉で、すべての生物の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含みます。「人間と自然の間の、本来は豊かな、そしてダイナミックで複雑な関係の現状を見つめ、持続可能な社会を築くためのキーワード」と言われました。生態系の健全性の指標であり、自然の恵み(生態系サービス)の源泉です。(食糧、燃料、建材、医薬原料、健全な水環境の維持、水と大気を清浄に保つ、気候抑制 など) 生態系サービスについては、日本における経済評価はこれからで、遅れているそうです。ミレニアム生態系評価(MA)についても紹介されました。50年前から今までを調査し、50年後を予測するというものです。50年間の改変はすさまじいものがあったという結果が出ています。砂漠化、富栄養化(肥料による窒素やリン)など、生態系サービスは衰退し、生態系サービスに頼ってきた人々との貧富の差は拡大しています。将来予測としては、シナリオ分析されており、どういった行動を環境配慮をするかで変わってくるとされています。地域生態系の管理を重視した政策の要素を取り入れることが望ましいということです。 日本から提案している「SATOYAMAイニシアチブ」についてもお話しされました。自然のシステムからそれほど離れない、歴史に試された里地・里山システムということです。里山での人の営みや手入れ(適度なかく乱)によって、人と自然が共生し豊かな暮らしがありました。現在の日本における課題として、大規模モノカルチャーの環境負荷の回避、水田の湿地としての機能の維持・回復をあげられました。 最後に、イギリスに縦横にあり歴史も長いフットパス(歩行者専用の道)についても紹介されました。しかし、イギリスでは10種ぐらいしか見られないのに対し、久保川流域では30分で100種もの植物を確認できたそうです。5月22日は国際生物多様性の日です。2009年のテーマは「外来種の拡散」となっています。この自然再生事業においても、久保川流域の生態系を守るために、ウシガエルなど外来生物の駆除が大事ですと話されました。 講演の後は、久保川イーハトーブ自然再生協議会設立総会が行われました。 |
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| 2009/1/27 EPO-NARECサロン 「発酵食品から東北を見る〜栄養管理の視点から〜」 | ||||||||||||
| 日時:2009年1月27日(火) 18:30〜20:30 会場:EPO東北 会議スペース 主催:EPO東北、NPO法人自然環境復元協会(NAREC) 参加者:16名 内容:話題提供(日野美代子氏、東北大学病院栄養管理室)、意見交換 |
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| 2008/10/9 EPOサロン 「『生物多様性』を知る」 | ||||||||||||
| 日時 2008年10月9日 場所 EPO東北 講師 鈴木渉 氏(環境省東北地方環境事務所国立公園・保全整備課: 当時) 内容 講演、質疑応答、交流会 参加者 約30名(会社員、大学教員、学生、行政、NPO) |
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鈴木氏の講演の演題は「生物多様性 〜いのちと暮らしを支えるもの〜」で、主要な内容は、生物多様性につながるアメリカでの自然資源保護の歴史、生物多様性条約の締約国会議の様子や条約の概要、生物多様性国家戦略の内容と改訂ごとの変化、昭和30年代に着目して考えた日本の生物多様性の姿、国連の呼びかけで行われた地球規模の生態系評価(ミレニアム生態系評価)について、日本での生物多様性に関する知名度調査の結果、などでした。その中で、鈴木氏が生物多様性国家戦略の改訂に関わった際に、方言や遊びが生物多様性の指標になるのではないかと調査を行ったことが紹介されました。これは生物多様性の関連の広さを表していると思いましたが、最終的には盛り込まれなかったそうです。その後の質疑応答では、生物多様性国家戦略の目指すところについての質問がありました。鈴木氏からは「持続可能なライフスタイルを実現していくのが第一だが、それは何かというのは抽象的」という答えで、生物多様性というテーマの難しさを感じました。その他に、物作り、地球温暖化、東北、近代化などと生物多様性の関連についての話が出ました。 参加者からは以下のような感想がありました。 ・生物多様性については、概念的にはわかっているつもりだが、具体的な活動をどうすれば良いのかわからない。今回のサロンでしくみは見えてきたが、もう少し具体的な活動が知りたいと思った。 ・生物多様性が、ここまで日常生活に密接で、生活の中の当たり前のことにスポットを当てているとは知らなかった。 予想を超えた人数が集まり、生物多様性への関心の高さが伺えました。また、「今後、また、違うテーマで聞いてみたい。」という感想もあり、今後の取組みにどうつなげていくことができるか知恵を絞る必要を感じました。また、小規模な集まりだからこそ、行政や市民間の密な対話の場となる可能性を感じました。 |
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