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活動のご報告

活動のご報告

<EPO東北>ESD学び合いフォーラム【テーマ:地球温暖化】/2016.12.20、2017.1.10

2017.01.20 14:20

2015年末に採択された「パリ協定」において、すべての国が気候変動への対策に取り組むことが約束されました。気候変動の進行で懸念される影響は、温室効果ガスの排出の削減を最大限実施したとしても完全には避けられず、その影響に備えるための適応が必要だと考えられています。それぞれの地域で対策や影響への適応策に取り組んでいかなければなりません。
すでに気候変動の影響を受けている国「キリバス共和国」の文化と人々の暮らしに関する学びを通して、気候変動の影響で引き起こされる問題について当事者意識と危機感を持ち、普段の生活から考え、アクションを起こすきっかけ作りを行うことを目的に、宮城県内の2校でESD学び合いフォーラムを実施しました。
 
■小学校
日時:2016年12月20日(火)10:30~12:00
場所:利府町立利府第三小学校
参加者:小学6年生55名                
 
■中学校
日時:2017年1月10日(火)10:40~12:20
場所:利府町立利府中学校
参加者:中学1年生161名
 
■小中学校共通
講師:ケンタロ・オノ氏(キリバス共和国名誉領事館 名誉領事・大使顧問)
主催:東北環境パートナーシップオフィス(EPO東北)
内容:
(1)はじめの挨拶
(2)講師紹介
(3)講演「国がなくなる?!~キリバス共和国と地球温暖化~」
   ケンタロ・オノ氏(キリバス共和国名誉領事館 名誉領事・大使顧問)
(4)感謝のことば
(5)おわりの挨拶
 
講師のオノ氏より、はじめにキリバス共和国の位置、経済状況や日本との関係、日々の生活などの紹介、その後、地球温暖化によるキリバス国内の気候パターンの大きな変化や国土浸食、目前に迫ってきている水資源の危機などについてお話していただきました。
前半で子どもたちはキリバス語のあいさつで盛り上がったり、きれいな海の写真を見て驚いたりしていましたが、後半のお話で海岸の浸食や頻発している浸水被害の様子を見て、だんだんと教室の雰囲気が変わっていきました。「私たちは、このまま何もせずに最悪のシナリオを迎え環境難民には決してなりたくない。キリバスの子どもたちが引き続きキリバスで当たり前の暮らしができるよう一緒にこの課題に立ち向かってほしい」と訴えるオノ氏を真剣なまなざしで見つめる子どもたち。一生懸命にキリバスの現状を伝えようとするオノ氏の力強い言葉や身振り手振り、表情から多くのことを感じ取ってくれたようです。
以下、感想文の一部を抜粋して紹介します。
 
【小学校】
・今日はお越しいただいてありがとうございました。キリバスという国は知っていましたが、くわしく知りませんでした。自分も貧しい国のことをよく知って、そういう国のために、せつ電したり地球に優しいことをしたいです。
・キリバスの場所や学校のことなどがよく分かりました。僕もキリバスに少し興味を持ったので、図書館などでもキリバスを調べてみようと思いました。
・ぼくはこれからいろいろな国があるんだと関心をもっていきたいと思いました。そして危険をむかえている国があるということを学びました。
・ぼくはキリバスの自然災害などが地球温暖化のせいと聞いてびっくりしましたし、少しでも力になれたらなと思いました。今日は本当にありがとうございました。
・わざわざ遠い利府町まで来ていただき、ありがとうございました。僕はこれから外国の仕事などをよく調べていきたいと思いました。
・キリバスの話は悲しいところと楽しいところをおしえてもらってうれしかったです。学んだことは、自然のこわさです。いくらいいものをつくってもやっぱり自然にはかないませんね。
 
【中学校】
・オノさんのしゃべり方に情熱がこもっていて、本当にキリバスを守りたいんだなと感じました。今の僕たちの当たり前は、外国では通用しないということに驚きました。キリバスの子どもたちを難民にさせないためには、キリバスの削れた大陸を戻すための費用を募金などをして集めキリバスに送ればいいかなと思います。地球温暖化はガスが原因なので、ガスの使用量を少なくしたらいいと思います。
・オノさんの話し方、気軽に語ってくれるような感じがしてとても分かりやすく、キリバス人の1人として現状を話しているところに、故郷を想う気持ちがあり、感動しました。オノさんの訴え、キリバス共和国の訴え、キリバス人の皆さんからの日本への期待。こんなたくさんの気持ちに僕はすべて応えることができませんが、「募金」や「植林」などの現状が悪化しないようにすることができますし、そのような活動があれば積極的に参加しています。次はその先、状態を改善する方法を考えて行動したいと思っています。
・私は地球温暖化がこんなに深刻な状態になっているなんて想像もしていませんでした。日本には直接的な被害がないからだと思います。キリバスに生まれた子どもを33年後、難民なんかにさせたくないと、私でも思いました。このように外国のことを知る機会を作っていただき、ありがとうございました。私たちにできることはオノさんが言っていたように、キリバスと同じような被害にあっている国や、地球温暖化についてくわしく調べることだと思います。そして調べて終わりではなく、そこから私たちがどのようにすればよいのかをしっかり考えることが、今の私たちにできることだと思います。
・キリバスの国は本当にきれいでした。キリバスのすばらしいところを守ろうと頑張るオノさんの心が伝わってきました。私はあんなにきれいなところがあったら協力したいと思います。地球温暖化を防ぐには1人2人が頑張ったところでダメだと思います。地球温暖化を防ぐためには、地球の皆で協力するのがいいと思います。キリバスの方々は何もしていないのに難民になるのはおかしいと思います。キリバス人の子どもの将来のためにも私ができることがあるならば協力したいと思います。キリバス人の皆が笑顔で過ごせるように。
(Report/Oyamada)