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活動のご報告

活動のご報告

<催事参加>第9回ユネスコスクール全国大会が開催されました/2017.12.2

2017.12.08 10:08

 福岡県大牟田市でユネスコスクール全国大会が開催されました。九州での開催は初めてとのことです。全国のユネスコスクール教員をはじめとする教育関係者を中心に、ESDやユネスコスクールに協力している企業や民間団体等の関係者、900名余りが参加し、実践交流が行われました。
 
【第9回ユネスコスクール全国大会】
持続可能な開発のための教育(ESD)研究大会
我が国を最先端の持続可能な社会に―ESDのゴールを目指して―
日時:12月2日(土)10時~17時
場所:大牟田文化会館(福岡県大牟田市不知火町2-10-2)
主催:文部科学省、日本ユネスコ国内委員会
内容:
(1)開会式
 あいさつ

  宮川典子氏(文部科学省大臣政務官)
  安西裕一郎氏(日本ユネスコ国内委員会会長)
  中尾昌弘氏(大牟田市長)
(2)今後のESD推進に関する施策説明
 ~今日よりいいアースへの学び ユネスコスクールとESDの更なる推進に向けて~
 池原充洋氏(文部科学省文部科学戦略官)
(3)特別講演
 「国際的なユネスコスクールの動向を学ぶ」
 ザビーネ・デツェル氏(ユネスコスクール本部教育局ユネスコスクール担当課長、ユネスコスクール国際コーディネーター)
(4)ランチョンセッション(協力企業による社会貢献活動の紹介)
 イオントップバリュ株式会社
 ネスレ日本株式会社
 株式会社ファーストリテイリング
5)分科会
 第1分科会/ワークショップ ESDのゴールに向けて―SDGsをゲームで学ぼう
 第2分科会/ワークショップ 地域素材の活用を学ぼう
 第3分科会/ワークショップ ホールスクールアプローチを実践しよう
 第4分科会/ワークショップ グローバル人材の育成にトライしよう
 第5分科会/ワークショップ 世界文化遺産の効果的な学習を実践しよう
 第6分科会/テーマ別交流研修会 防災とESD
 第7分科会/テーマ別交流研修会 チーム学校とESD
 第8分科会/テーマ別交流研修会 道徳、心の教育とESD
 第9分科会/テーマ別交流研修会 ESDをコアにしたカリキュラム・マネジメント
 第10分科会/テーマ別交流研修会 主体的・対話的で深い学びとESD
(6)パネルディスカッション
 「50年後の社会に向けたESDによる人材育成」
 コーディネーター:三上一幸氏(宮城教育大学 学長)
 基調提案:石丸哲史氏(福岡教育大学 教授)
 現場からの提案:長谷川吏子氏(神奈川県横浜市立永田台小学校 主幹教諭)
         藤原隆範氏(広島大学附属中・高等学校 教諭)
(7)全体会 ユネスコスクールのネットワーク化に向けた取組
 棚橋乾氏(東京都多摩市立連光寺小学校 校長)
(8)第8回ESD大賞表彰式・閉会式

 ユネスコスクールはユネスコ憲章に示された理念を学校現場で実践するため、国際理解教育の実験的な試みを比較研究し、その調整をはかる共同体として発足しました。世界182か国で約10,000 校が加盟して活動しています。共通目標は「生徒の心に平和の心を育む」ことです。
 2015年からはSDGsに基づいた教育を展開するために、ユネスコスクール本部では全体の再活性化に取り組んでいます。新しいガイドブックの作成、ネットワークを強化するためにオンラインツールの拡充、グローバルな年次報告書の発行に取り組むと報告がありました。
 
 午後の分科会では第6分科会「防災とESD」に参加しました。
 はじめに熊本県宇城市立小川小学校より、地域の文化を継承する取組みと、熊本地震の際の対応と学びについて話題提供がありました。震災後には、学習成果発表会に地域の消防団が参加したり、過去の大水害の話を聞く防災教育を通して、子ども達の関心を高める取り組みをしているそうです。熊本地震の体験を通して、学校は地域にとって安全な場なのだと再認識したこと、子ども達が隣近所で分け合う大切さを学んだこと、地域への参画意識が高まったことなどが報告されました。
 会場からは、震災前から地域と学校の関りがあったのか、保護者との連絡体制等について質問が出されました。その後の意見交流の時間にも活発な発言がありました。東日本大震災の例を見ても中学生は地域の一員として果たす役割が大きい。高校生に対するアンケート調査では水が最も大事であることなど、非常時の知識がないことが判明した。災害の少ない地域では生の声を聞くことが大きな学びになる。など、参加者が現場で取り組んでいる事例を交えて、様々な意見が出されました。
 
 パネルディスカッションでは「50年後の社会に向けたESDによる人材育成」がテーマでした。50年後の2067年には、今、小学校1年生の子どもが56才、小学校6年生は62才です。環境も変わり、AIの普及によって多くの仕事が消えると言われていますが、ESDによって夢や希望を持つ子どもを育てること、課題をポジティブに捉えることで可能性と希望を見出していってもらいたいと意見が出されました。
 
 閉会式では第8回ESD大賞の授賞式が行われました。
【受賞校】
■文部科学大臣賞・・・福岡県大牟田市立吉野小学校
■ユネスコスクール最優秀賞・・・千葉県立桜が丘特別支援学校
■小学校賞・・・東京都大田区立赤松小学校
■中学校賞・・・埼玉県さいたま市立大宮八幡中学校
■高等学校賞・・・神戸大学附属中等教育学校
■ベスト・アクティビティ賞・・・北海道札幌平岸高等学校
■スタートアップ賞・・・宮城県仙台市立郡山中学校
■ネスレ日本ヘルシーキッズ賞・・・東京都目黒区立田道小学校・大阪府岬町立深日小学校
 
 「ベスト・アクティビティ賞」と「スタートアップ賞」は本年度から新設された賞で、このうちスタートアップ賞は、取組を始めたばかりの学校を応援するため、ユネスコスクール加盟3年未満の学校が対象となります。
 
 日々教壇に立つ先生方のお話しは大変わかりやすく、勉強になりました。また、地域が違っても抱える課題や悩みは共通する点が多く、積極的に情報交換・意見交流を行う様子が印象的でした。
(Report/Suzuki)