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【国連広報センター】気候関連の誤情報・偽情報に取り組む:「緊急の行動が必要なフロンティア課題」(UN News 記事・日本語訳)

2023.12.29 09:05

2023年10月30日 — 気候変動の影響は、地球温暖化のほんのわずかな変化が進むごとに加速しているが、インターネット上やメディア環境には、確立された科学的事実に対する否定・歪曲・虚偽があふれ返っている ― 。国連本部で開催された、気候変動に関する誤情報・偽情報についてのパネルディスカッションで、参加者たちはこのように指摘しました。
 
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科学者たちは、気候変動が現実のものであり、化石燃料の燃焼など持続不可能な人の活動が原因であることで意見が一致していますが、一部の活動家らは誤情報・偽情報を拡散し続けており、効果的な気候行動を妨げうる有害な誤解を生じさせています。
 
気候行動は、持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標の一つです。
 
「誤情報・偽情報に取り組む:緊急の行動が必要なフロンティア課題」と題した討論において、国連グローバル・コミュニケーション局で情報の誠実性担当シニアアドバイザーを務めるシャーロット・スキャダンは、気候に関する誤解を招く事実に対抗することがなぜ優先課題なのかについて、3人の気候専門家とSDGメディア・ゾーンで議論しました。
 
対談の相手は、国連児童基金(UNICEF)親善大使で気候活動家のバネッサ・ナカテ氏、コンシャス・アドバタイジング・ネットワーク共同設立者でClimate Action Against Disinformation会員のジェイク・ダビンズ氏、そして『ウェザー・チャンネル』気象予報士のポール・グッドロー氏の3名です。

ジェイク・ダビンズ:私たちは、気候関連の誤情報・偽情報を3つのカテゴリーに大別して定義しています。1つ目のカテゴリーは「全面否定」です。私たちは気候変動が起きていること、そして人類がその原因であることを理解していますが、こうした事実自体を否定するものです。「気候詐欺」や「気候デマ」といった言葉は、ソーシャルメディア・プラットフォーム上でトレンドになっています。私たちが注目している2つ目のカテゴリーは「チェリーピッキング」、つまり全体像を示すことなくデータを選んで、人々を欺くものです。そして3つ目は「実質的に誤った解決策」、つまりパリ気候協定に則るものではない行動を提案するものです。
 
私たちは昨年、気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)に合わせて世論調査を行いましたが、そこでこうしたメッセージが多くの異なる国々に浸透していることがわかりました。6カ国で質問をしたところ、米国では23%の人々が、気候変動は世界経済フォーラムによる捏造だと考えていることが判明しました。また、調査した6カ国すべてにおいて、20%超の人々が、気候変動は人間によって引き起こされているものではないと考えていることもわかりました。
 
バネッサ・ナカテ:しかも、化石燃料企業は、自分たちの活動が気候を破壊していることを知っていて、その上でなお、活動を続け、そうした情報が人々の目に触れないようにしようとしていました。
 
私はそれも、気候関連の偽情報やグリーンウォッシング(見せかけだけの環境配慮)だと考えています。ファッション産業でも実に多くの企業が、自社が実際に持続可能であることを世間に示そうと、同様のことを行ってきているのです。しかし、そうした企業のサプライチェーン・プロセスを見てみると、実際は持続可能でないことがわかります。そのような企業はいまだにコミュニティーに害を及ぼし、人々に害を及ぼし、労働者を搾取しているのです。
 
ポール・グッドロー:気候変動は「意見」ではありません。残念なことに、報道機関の中には気候変動に関する誤情報・偽情報を報道し、それをニュースであるかのように装っているところもありますが、そちらはまさに「意見」なのです。『ウェザー・チャンネル』では、特定のスタンスを取ることはありません。私たちの使命は啓発すること、情報を伝えることです。私たちは科学について語っているのです。

ジェイク・ダビンズ:北米や欧州では、この問題に関する英語の情報が増えつつありますが、ギャップが存在しています。米国のソーシャルメディア・プラットフォームの大半は、国内における気候関連の誤情報・偽情報について実に多くの研究に資金提供をしていますが、世界の他の地域にはそれほど資金提供をしていません。そのため、アフリカ、アジア、南米では、大きなギャップが存在しているのです。
 
バネッサ・ナカテ:個人的に、そして活動家の運動に参加しているそれぞれの若者たちにとってもそうだと思いますが、私たちは人々に希望を与えなければならない立場にあります。
 
私たち活動家は、指導者たちや世界全体に希望を与えなければなりません。誰もが多くの希望を与えることを私たちに期待しているので責任重大ですが、その一方で、若者たちが気候運動で活動していても誰も私たちには希望を与えてくれません。
 
私たちは、指導者たち、企業、人々に対して、若者たちにも希望を与えてくれるように求めます。活動する上では、疲弊を伴うこともあるからです。気候変動によって、多くの人たちが燃え尽き症候群を経験し、精神衛生上の問題に苦しんでいます。
 
私たちは声を上げ続けてきていますが、世界にはそれに耳を傾けてほしいのです。

ジェイク・ダビンズ:私たちは2年前の気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)において、気候活動家、気候リーダー、企業を集め、国連に対してだけでなく、ソーシャルメディア・プラットフォームに対しても気候関連の誤情報に対処するよう求める、効果的な書簡を作成しました。2年前、テックプラットフォームには気候関連の誤情報に対するポリシーはありませんでした。今では、X(旧ツイッター)を除く大半のプラットフォームで、気候関連の誤情報に対するポリシーが策定されています。
 
広告主は、自分たちの広告が気候変動を否定する内容や、活動家に対する嫌がらせ、あるいはヘイトスピーチによる嫌がらせの隣に表示されることを望みません。だからこそ、(広告に)投資して文字通りメディア環境の大部分を資金面で支えている広告主には、選択肢があります。優れた気候科学や優れたジャーナリズムに資金を投じるのか、あるいは気候変動の否定論やヘイトスピーチに資金を投じるのか、選ぶことができるのです。
 
ポール・グッドロー:それは、歴史の正しい側に立つということです。今から5、60年前、米国人の75%がマーティン・ルーサー・キング牧師を支持していませんでした。死後50年が経った今、彼は90%の人々から支持されています。ですから、歴史の正しい側に立ちましょう。これから30年、40年、50年後には、どうなっているでしょうか。私は、ひたすら訴え続ければ、歴史の正しい側に立つ人々が増えるだろうと楽観的に見ています。
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