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活動のご報告

活動のご報告

防災会議(3)女性たちのリーダーシップ/2015.3.14

2015.03.19 16:26

 2015年3月14日から18日にかけて宮城県仙台市で第3回国連防災世界会議が開催されました。東日本大震災の被災地である仙台市で開催することは、被災地の復興を世界に発信するとともに、防災に関する日本の経験と知見を国際社会と共有することが期待されています。
 第3回国連防災世界会議についてはこちらをご覧ください
 本会議開催に合わせて、仙台市内の多くの会場で一般向けのパブリックフォーラムが開催されます。数多くあるイベントにEPO東北スタッフも参加してきましたので、その模様をご報告いたします。
 
 
 仙台市男女共同参画推進センター エル・パーク仙台は、会期中「女性と防災」テーマ館パブリック・フォーラムの会場となり、関連したテーマのイベントが行われました。 
 
催事名:トーク×トーク 女性たちのリーダーシップ
主  催:仙台市男女協働参画センター
日  時:2015年3月14日(土)13:30~16:00
会  場:エル・パーク仙台 6Fギャラリーホール
 
◆コーディネーター
  岩本理恵氏(㈱ユーメディア メディア本部クリエイティブチームエディター/『パンジー』ディレクター
◆スピーカー
 足立千佳子氏(NPO法人まちづくり政策フォーラム理事)
 阿部恵氏(恵の社代表)
 菅野澄枝氏(仙台市地域防災リーダー、岩切学校支援地域本部地域コーディネーター)
 菅野陽子氏(岡田手づくりアグリの会代表)
 二瓶明美氏(南蒲生町内会復興部)
 引地恵氏((一社)WATARIS代表理事)
 村主夏江氏(荒浜町内会女子会代表)
 門間尚子氏(おとな女子3040PROJECT代表)
◆コメンテーター
 木須八重子氏((公財)せんだい男女共同参画財団 理事長)

◆朗読 朗読リラの会
 
 東日本大震災では改めて「女性のための支援」の必要性、そして避難所運営や復興のプロセスにおいて「女性の視点」が入ることの大切さが認識されました。「トーク×トーク」では、現場で起きた出来事と、登壇者それぞれの価値観を変えたものは何か、などのテーマで女性リーダーたちの気づきや新しいリーダー像が語られました。
 避難所での炊き出しは、最初は「女性たちの仕事」でした。だからこそ「ここだから言える」女性だけの会話の中で、さまざまな悩みの声が発せられます。炊き出しを手伝う中、避難所の運営も支援物資の運び手も男性たちで、女性の声が届く場所がないことに気づいた女性支援者が新たな活動を生み出し、女性のための場づくりや、女性のための支援活動が生まれていきました。そして、被災地ではたくさんの手仕事支援プロジェクトが誕生しました。たとえ少額であっても定期的に賃金が得られることで精神的に安定感が得られることの重要性、世界で売買されたことを知り「私が作ったものが海外の方の手に渡っている」と心が前向きになることの重要性、手仕事を通した新しいコミュニティ形成が女性たちに及ぼした影響などが、事例と共に紹介されました。

 振り返ってみて、今まで家庭と地域、狭い世界にいた女性たちにとって、大震災は外の世界を知る分岐点でした。外の世界を知って、視点が変われば見え方が変わり、考え方が変わります。檀上からは、女性たちもこれからは積極的に『自分の世界』以外の世界を知って・触れていくことが呼びかけられました。
  「融通のきかない男性だけではダメ!」との力強い声も発せられました。「リーダーシップ」と言えば、今までは『ぐいぐいひっぱる』人のイメージがあったけれども、「実は色んな人の力を使いながらコーディネートして行ける、やさしく手を添えて支援してくれる、そんなリーダー像が求められているのではないだろうか」との提起があり、「くらしの質をより良くしていくことを考えて、臨機応変に対応する女性リーダー」の活躍に大きな拍手が贈られました。 
(Report/Suzuki)