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活動のご報告

活動のご報告

防災会議(5)災害ボランティアが育む力/2015.3.17

2015.03.19 16:50

 2015年3月14日から18日にかけて宮城県仙台市で第3回国連防災世界会議が開催されました。東日本大震災の被災地である仙台市で開催することは、被災地の復興を世界に発信するとともに、防災に関する日本の経験と知見を国際社会と共有することが期待されています。
 第3回国連防災世界会議についてはこちらをご覧ください
 本会議開催に合わせて、仙台市内の多くの会場で一般向けのパブリックフォーラムが開催されます。数多くあるイベントにEPO東北スタッフも参加してきましたので、その模様をご報告いたします。
 
催事名:災害と教育―災害に強い社会をつくるための人づくり―
主  催:一般社団法人RQ災害教育センター
日  時:2015年3月17日(火)9:10~10:50
会  場:仙台市民会館 会議室7
内  容:
 報告1 佐々木豊志氏((一社)RQ災害教育センター代表理事、(一社)くりこま高原自然学校代表理事)
 報告2 高田研氏(都留文科大学教授)
 報告3 畠山信氏(NPO法人森は海の恋人副理事長)
 ビデオメッセージ ホセ・ロベルト・ゲバラ氏(ロイヤルメルボルン工科大学/アジア南太平洋成人教育協議会ASPBAE会長)
 コメント 古旗信一氏(東京農工大学準教授)
 会場質問
 閉会あいさつ 高橋満氏(東北大学教授、日本社会教育学会会長)
 
 コーディネーター・通訳:二ノ宮リムちさ氏(東京農工大学特任准教授)
 
 RQ市民災害救援センターは、東日本大震災発災直後の3月17日に発足したボランティア組織です。廃校になった小学校を拠点とし、アウトドアやエコツアー、自然学校関係者が中心となって組織されました。のべ4万5千名のボランティアが物資の支援、泥だし、瓦礫片付けなどの労務、足湯や音楽会など心身のリラックスを目的とした支援、時間の経過とともにさまざまな支援活動に取り組みました。2年間の活動を経て、一般社団法人RQ災害教育センターへと名称を変え、法人化しています。

 震災で社会、環境が変化した中で、ボランティアは自分で被災地の問題や課題を聞き出し、見つけ、自分で考え、そして主体的に判断することが求められました。被災地で初めてであった人間同士が、チームを組んで震災活動に協力し、被災住民の気持ちを思いやり、ボランティア活動をやり抜いて帰っていく。その姿に、現場からさまざまなことを学びとり成長する「災害教育」の教育力が注目されています。災害ボランティアを通して「生きる力」が育まれたのではないかと仮定して、参加ボランティアにアンケート調査を実施し、現在結果を分析中とのことです。
 また、卒業後に教師となったかつてのボランティア学生に対する聞き取り調査も行われています。災害ボランティアの経験から、赴任先の小学校での避難訓練の在り方や避難先が見直された等の事例があるそうです。新任教師の意見が採用されて、避難訓練全体が見直されるという事態はこれまでにないことです。さらに、被災地で直接聞いた体験談を、故郷で教師となった若者達が次の世代に伝えようとしている実態が分かりました。
 災害ボランティアを通して育まれる「生きる力」は、ESD教育にも絡んでくるテーマです。今後も注目していきたいと思います。
(Report/Suzuki)