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活動のご報告

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防災会議(20) 小さな物語 ―市民による聞書きから―/2015.3.14

2015.03.25 13:14

 2015年3月14日から18日にかけて宮城県仙台市で第3回国連防災世界会議が開催されています。東日本大震災の被災地である仙台市で開催することは、被災地の復興を世界に発信するとともに、防災に関する日本の経験と知見を国際社会と共有することが期待されています。
 第3回国連防災世界会議についてはこちらをご覧ください。
 本会議開催に合わせて、仙台市内の多くの会場で一般向けのパブリックフォーラムが開催されます。数多くあるイベントにEPO東北スタッフも参加してきましたので、その模様をご報告いたします。
 
 仙台市は東日本大震災により甚大な被害を受けました。仙台市民が経験したことを忘れず、活かしていくためには「伝える」取組を長く続けていくことが大切です。仙台市震災メモリアル・市民協働プロジェクト「伝える学校」では、これまでに「震災を伝えること」に取り組んできた方々をお招きして、「伝える」ための独自の視点を学び、共有しながら仙台市民だからこそ伝えることができる「震災」を発信していくため、市民団体と仙台市が協働で進めているプロジェクトです。
 「伝える学校」の中のプロジェクトの一つ、「RE:プロジェクト」が主催する朗読劇が開催されると伺い、見学してきました。
 
伝える学校についてはこちらをご覧ください。
 
催事名:小さな物語 ―市民による聞書きから―
主催:RE:プロジェクト
日時:3月14日(土)14:00~14:40
会場:仙台市市民活動サポートセンター 市民活動シアター
 
「RE:プロジェクト」とは、東日本大震災で失われてしまった仙台市の沿岸部がそれぞれどのような場所で、そこにはどのような暮らしがあったのかを沿岸部に住んでいた方から聞き取り、発見・再認識・再考する取組です。
 
「RE:プロジェクト」についてはこちらをご覧ください。
 
 RE:プロジェクトでは仙台市民と一緒に「聞書き」を通して被災した仙台と向き合い、改めてこれからの暮らしの姿を考えるきっかけをつくるため、今年度から市民参加型の伝える学校ゼミ「暮らしを見つめる<聞書き>講座」を開講し、活動を続けています。このゼミの中で、津波で失われた地域に住む方の言葉に耳を傾け、確かにあった暮らしの姿を受講者が記録してきました。
 
 今回のイベントでは、これまでゼミ受講者の皆さんが集めた「小さな物語」をもとに、講師である西大立目祥子さん(フリーライター)が脚本を手がけた朗読劇が上演されました。
 背景に取材した地域の写真を映しながら、「聞書き」の様子を朗読劇という形で表現していました。「堆肥は冬でもねづ(熱)出てっから、土の中手入れてあっためたんだ」「小学校のときもずいぶん、貞山堀のとこに松の木植えさせらったよ」など仙台弁で語られる沿岸部の暮らしを聴くことで、自分が「聞書き」の現場にいるような、疑似体験をすることができました。
 
 
 地域に住む人の顔や暮らしぶりを知ることで、地域をより深く、具体的に共有することができます。地域を知ることが防災やこれからの暮らしを考えるきっかけになると思います。RE:プロジェクトを通じて、多くの人に仙台市沿岸部のことを知ってほしいです。
 
(Report/Nasuno)