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活動のご報告

活動のご報告

防災会議(27) 森の防潮堤推進シンポジウム/2015.3.17

2015.03.25 14:13

 2015年3月14日から18日にかけて宮城県仙台市で第3回国連防災世界会議が開催されています。東日本大震災の被災地である仙台市で開催することは、被災地の復興を世界に発信するとともに、防災に関する日本の経験と知見を国際社会と共有することが期待されています。
 第3回国連防災世界会議についてはこちらをご覧ください。
 本会議開催に合わせて、仙台市内の多くの会場で一般向けのパブリックフォーラムが開催されます。数多くあるイベントにEPO東北スタッフも参加してきましたので、その模様をご報告いたします。
 
「いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会」では、人工物による画一的な防災だけでは限界があると感じ、いにしえから日本人が大切にしている自然とともに生きる多様性のある防災・減災のあり方を探っています。その実践的取組として宮城県岩沼市「千年希望の丘」植樹祭を開催しています。
 今回、いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会が防潮堤のあり方を考えるシンポジウムを開催すると伺い、参加してきました。
 
いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会についてはこちらをご覧ください。
「千年希望の丘」プロジェクトについてはこちらをご覧ください。
 
催事名:森の防潮堤推進シンポジウム
主催:いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会
日時:3月17日(火)14:20~18:00
場所:仙台市情報・産業プラザ 多目的ホール(5階)
 
 東日本大震災をきっかけに、防潮堤に関する議論が高まってきています。このシンポジウムでは生物学や脳科学、哲学などさまざまな分野の方が登壇し、約550名の参加者が集まりました。私の参加したパブリック・フォーラムの中では一番参加者が集まっており、関心の高さが伺えました。
 日本では昔から海岸に松林をつくり、下生えや落ち葉を薪や堆肥などに利用してきました。樹木が成長すると砂防機能も果たします。海岸林は防災林であると同時に生活に密着した文化でした。登壇者からは「絶対に壊れない建物をつくることは物理的に不可能だ」「自然は偉大な回復力・復興力を持っている」など意見が出ており、各分野から海岸林を植える意義についてお話がありました。
 
 岩沼市長からは「千年希望の丘」プロジェクトについて紹介がありました。東日本大震災による大津波を体験し、防災を常に考え備えること、自然と共生することがいかに重要であるかを再認識したそうです。「千年希望の丘」プロジェクトは東日本大震災の教訓を千年先まで伝えるための歴史的プロジェクトでもあります。市長から「私はこのプロジェクトをやり抜く覚悟があります」と力強いお言葉がありました。
 
 次世代のことも考えたこのプロジェクト、そして「千年希望の丘」を通じて、いつまでも東日本大震災の教訓が活かされることを願っております。
 
(Report/Nasuno)