活動のご報告
【ESD研修会】ゲストティチャーに聞く気候変動の影響を実施いたしました
2024.09.27 16:05
【開催日】 2024年9月18日(水)
【会 場】 青森県 青森市立堤小学校
【参加者】 6学年60名
昨年度の東北地方ESD活動支援センター事業「ESDfor2030学び合いプロジェクト」で実施した内容を、
今年度も青森市立堤小学校の6学年を対象に実施いたしました。
青森市内の観光リンゴ園を営むリンゴ農家さん、むつ湾で養殖業を営むホタテ漁師さん、野菜や果物等の苗やタネを販売する種苗店の方を
お招きして、3つのグループに分かれ、児童がゲストティチャーに質問しながら気候変動について学びました。
◆リンゴ農家グループ
・ 気温の上昇により、リンゴの色づきが悪くなってきている。ただ味には大きな違いはないため、このことをしっかりと発信し理解して
ほしいと思っている。
・ リンゴの品種改良も継続的に行われている。高温に強いリンゴも開発され、量は少ないが市場にも出回るようになってきた。
また気温が高いほど甘くなる桃が今年豊作で、リンゴ農家から桃農家へ移行している話も聞いている。
・ リンゴ園で働くスタッフへの配慮も気を付けている。休憩時間をこまめに取っているが、それ以外は水分を取らないスタッフが多いため、
こまめな水分補給を呼び掛けている。
◆ホタテ漁師グループ
・ 水温が少しずつ上昇して生きている。ホタテは低い水温をこのため、死んでしまうホタテも多くなっている。
・ ホタテ自体が、この気温変化に対応してきていると感じる。この状況下で生存するホタテが産卵すると、そのほたては最初からこの水温で
生活することとなる。水温の変化は嬉しいことではないが、ホタテも適応しながら生きている。
・ 漁師の後継者不足が深刻である。今後ホタテ漁がどのようになっていくのか不安を感じている。
◆種苗店グループ
・ 今年はナスがとてもいい年だった。ナスはもともとインドが原産のため暑さに強い。そのため、気温の上昇に影響を受けにくい。
野菜や果物にとって気候変動の影響は、原産国も関係してくるのだと感じた。
・ 8月はお盆があるため、生花販売が書き入れ時である。しかし今年は気温が高く、お盆前に販売する花が開いてしまい
売り物にならないお店が多かった。同業者の中でも、生花を辞めるという声も多く聞こえてきた。
・ 気温上昇の影響で大きいのは害虫問題である。これまで見られなかった害虫や、個体の大きさにも変化がある。
各グループでは、気候変動の影響を知ることができたと共に、生産者の皆さんの思い感じ、消費者側として青森県だからこそいただける自然の恵みの大切さを感じていた様子でした。
また、温暖化における「適応策」もゲストティチャーの皆さんからたくさんのお話がありました。
地元の方の生の声を聞くことができる機会は改めて重要だと感じました。
東北地方ESD活動支援センターとして、今回の機会を継続・横展開できるよう検討していきたいと思います。
(Report/Koizumi)