東北の環境パートナーシップを応援します。

活動のご報告

活動のご報告

<EPO東北>宮城大学で「環境政策論」講義を担当/2015.5.27-6/24

2015.06.30 13:21

 宮城大学 事業構想学部 事業計画学科では、前期の授業に「環境政策論」があります。近年、環境問題の多様化・複雑化に伴い、行政、市民、NPO、企業等の連携が必要不可欠となっています。この潮流を踏まえ、持続可能な社会を構築していくために必要な政策や制度、行政、市民、企業等の取り組みや今後の方向性について、事例を通して学ぶことが目的です。外部講師を招き、実際の事例を紹介してもらうのもこの授業の特徴です。
 EPO東北では昨年度からお声がけいただき、大学にお邪魔しています。今年は5月末から6月までの5コマを担当し、環境政策にまつわる基礎知識、環境活動の変遷を織り交ぜつつ、東北のさまざまな事例についてお話しさせていただきました。
 
日時:2015年5月27日、6月3日、10日、17日、24日(毎水曜日)16:10~17:40
場所:宮城大学 大和キャンパス
講義内容
(1)東北環境パートナーシップオフィスの目的と概要
(2)東日本大震災と東北の今後の課題
(3)環境コミュニティビジネスと社会的企業
(4)環境教育分野における協働の実践
(5)東北の未来とサスティナブルライフ
 
 
 授業の登録者は30名ほど。国際的な動き、日本の環境政策、仙台の市民運動など、広く大きく国際社会の視点と、ローカルに東北/宮城/仙台の視点を織り交ぜつつ、毎回<政策や制度的な話題+具体事例>をセットでお話ししました。
 具体事例は、EPO東北が支援等で携わった事例、現場を訪問してのヒアリング等で直接見聞きした事例です。身近な課題としてとらえてもらえることを目標に、全国の先駆けとなった仙台の取り組み、ネガティブな課題に対して前向きに取り組む東北の事例をご紹介しました。
 
 
 授業はまず最初に話題提供。その後、5~6人のグループで感想や疑問を共有し、出た質問を紙に書いて発表してもらいました。他の人の意見に触れることで、「なるほどそんな視点もあるのか」と刺激になった様子。
 最後に、出された質問に答えて講義は終了です。
 
 講義の感想、印象に残った話題をレポート用紙に記入してもらうと、毎回たくさんの感想を書いてくれました。授業に持っていった話題がストレートに学生さんの心に響いたこと、初めて見聞きする話題に敏感に反応してくれたことが伝わってきます。
 
 
 2回目の授業では、東日本大震災で自宅が大変だったことや、ボランティアで支援活動に参加していたことなどを教えてくれる生徒さんも。大震災発生当時は高校生だった彼らにとって、被害の深刻な地域で長い避難所生活を送ることになった人々や、仮設住宅の実情、支援に奔走した大人たちの活動は初めて耳にすることばかり。『自分で問題意識を持って熱意を持って仕事ができる人間になりたいと思った』という感想も寄せられました。
 その他、5回の授業の中で特に印象に残った感想をご紹介します(抜粋)。
 
『行政、民間、団体などが垣根を超えて活動するという話は聞いたことがなく、興味深いものでした』
 
『環境を守る行動は「こつこつ」が求められるいわゆる「面倒」なことだけではなく、新たなアイデアなどでも実現できるのだなと感じました』
 
『そこにある社会課題とその国、地域の暮らし、生活スタイルをうまく組み合わせたシステムが必要なんだと思った』
 
『環境問題ほどとても大規模で実感がわかないものの、実はとても身近な生活に密接に関わっている全人類共通の課題はないのではと思った。様々な方面で行われているいろいろな取り組みを知って、応援して、人に伝えていける人になりたいと強く感じた』
 
『私たちが直面する様々な課題を解決し、世界中の人々や将来の世代の人が皆安心して豊かな生活を送ることができる社会をつくるためには現代社会の在り方、特に環境との共生を重視した開発の在り方が求められる。そのためにはまず、私たち国民1人ひとりが社会の課題と身近な暮らしを結びつけ、新たな価値観や行動を生み出すことが大切だと感じた。』
 
 
 授業中に出される質問やレポートを楽しみに、毎週楽しく通わせていただきました。
 本職の先生ではない外部講師による授業スタイルに慣れた頃、お別れとなるのが寂しいような気分も味わいつつ、貴重な経験をさせていただきました。
 
(report/Suzuki)