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活動のご報告

活動のご報告

<催事参加>岩手県葛巻町・紫波町 視察・交流会(前半)/2013.8.19

2013.08.19 00:00

地域主体の循環型地域づくり、地産地消、地元学が注目を集めるようになりましたが、東日本大震災後に改めて地域づくりの在り方が問われています。今回の視察を主催した「地域の力フォーラム」は、東北を中心に持続可能な経済、第一次産業の経済自立、都市と農村の新しい関係などをテーマに広く事例を集めています。お誘いをいただき、2日間の視察・交流会に参加してきました。

■葛巻町の取り組み「酪農とエネルギーの町に」

岩手県葛巻町は、今や人口よりも牛の頭数が多い東北一の酪農郷です。クリーンエネルギーの取り組みでも有名ですが、「エネルギーは酪農の延長上にあった」のだそう。山間高冷地の牧場には良い風が吹くので風力発電を、家畜排せつ物からメタンガスが発生するのでバイオガスを。今では地域エネルギーの利活用によって雇用を創出しています。
それぞれに課題もあり、例えば畜ふんバイオマスはランニングコストの問題からまだまだ酪農家へは普及していないそう。一方で東日本大震災時には搾乳が困難となった経験があり、非常時にも役立つエネルギーとして再注目されているとか。現在はエネルギーを地産地消するまちづくりを目指しています。

<見学施設>
●ゼロエネルギー住宅:地中熱ヒートポンプ、太陽光発電、太陽熱温水器を導入
●木質バイオガス化発電設備
●畜ふんバイオマスプラント 

■森と風のがっこう

循環型の生活スタイルで自然エネルギーと農の地産地消を進める「まなび場」づくりに取り組む、森と風のがっこうも見学させていただきました。元分校の校舎を利用して、コンポストトイレ、空き缶をモルタル製浴槽の骨材に活用した空き缶風呂、生活雑排水を土に入れながら浄化する「陶管浄化装置」、自作のロケットストーブなどを設置。校庭にはブルーベリーなどを自由に食べて良い「食べられる校庭」を作り、生命やエネルギーの「循環が見える」がっこうとなっています。
Cafe森風(写真・右)は地場の廃材にこだわって作ったそうで、屋根には草が茂る土壁のカフェです。がっこう内で育てている鶏の卵を使ったランチやケーキをいただけるそう。春先限定の白樺の樹液珈琲は地元の方にも大好評だそうで、春はスタッフの皆さんがせっせと樹液を運ぶのだとか。

がっこう内にはどうぶつたちのオブジェがあちこちに設置してあり、「やわらかな想像力とユーモアで楽しみながら生活をシフトダウンする」コンセプトが感じられます。

夜には葛巻町長との夕食懇親会がありました。
町の持っている機能を最大限活かしたまちづくりが重要であること、いかに地場産業を創り出し雇用を創出するかが鍵になる、といったお話しが印象的でした。葛巻は食糧自給率が大変高く、100%を超えています。「いずれは食もエネルギーも100%自給できる町にしていきたい」と仰っていました。

2日目のレポートに続きます。

(report/Suzuki)