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活動のご報告

活動のご報告

<催事参加>循環型農業をめぐるツアー Vol.2/2015.9.5-6

2015.09.15 16:45

 環境省事業1に採択された岩手県奥州市のプロジェクトが、「循環型農業を実際に見て・体感することができるツアー」を開催しました。循環の現場をメンバーがバトンタッチしながらご案内、「循環の仕組み」と「関わる人の顔」が見えるツアーに、EPO東北スタッフも参加させていただきました。
 
【循環型農業をめぐるツアー】
日程:2015年9月5日(土)~6日(日)
場所:岩手県奥州市
主催:♪米im♪My夢♪Oshu♪(マイムマイム奥州)※2
 
■お米からつながる循環の仕組み
 
♪米im♪My夢♪Oshu♪の及川代表は農家民泊を主宰、プロジェクトの中で生まれた発酵鶏糞を肥料にしたお米や野菜作りにも取り組んでいます。その及川さんの畑で収穫体験をさせていただきました。  トマトにきゅうり、なす、モロヘイヤ、みょうがなどさまざまな野菜がなっており、「こんなふうになるのね」とあちらこちらで驚きの声が上がっていました。「モロヘイヤはポキッと折れるところから収穫するといいのよ」など野菜名人ならではのお話も聞け、いつも食べている野菜の新たな一面を知る機会となりました。
 
(株)ファーメンステーションはアグリ笹森の飼料米を使ってエタノールを精製しています。ここの工場見学の中でお米からエタノールを精製する方法の紹介していただきました。まずお米を粉砕し、麹と酵母を添加、発酵もろみを作ります。それを蒸留装置と脱水装置にかけて99%濃度のエタノールを精製します。できたエタノールはほんのり甘い香りがしました。化粧品会社に卸すだけでなく、自社製品として消臭スプレーやエタノールを蒸留した際に出る残渣を練りこんだ石鹸など販売しているそうです。発酵したお米からコポコポと泡が出ており、生命の存在を感じました。
 
 
夜は皆で収穫した野菜や前沢牛など奥州市ならではの食材を使ったバーベキューとアグリ笹森のスタッフが持ってきてくれた郷土料理をいただきました。遠方からの参加者は「ずんだ」や「ほや」など見たことがない東北ならではの食文化に驚きつつ、美味しそうに食べていました。♪米im♪My夢♪Oshu♪のメンバーや参加者が混ざり合っての交流会は話がつきません。夜遅くまで盛り上がりました。
 
 
 
 
 
2日目は松本養鶏場を訪問しました。この養鶏場は奥州市の秘境と言われる水沢区黒石の山の中、車1台がやっと通れるくらいの山道をゆっくり奥に進むとあります。ここの鶏たちは主食に胆沢地区のお米、おかずとしてエタノール精製の残渣として出るお米の粕、奥州産のおからや大豆、国産のはじき野菜、カキ貝殻などを食べています。黒石の自然豊かな環境の中、鶏を外敵から守りつつ、自由に動き回れる「平飼い」という手法を取り入れているそう。鶏がストレスを感じないためにはどうしたら良いのかを考え、工夫を凝らしていることがうかがえました。実際に鶏を持たせていただいたのですが、羽がつやつやでとても大人しく、抱き心地が良かったです。前よりも鶏が好きになりました。
 
 
♪米im♪My夢♪Oshu♪が取り組む地域で循環するプロジェクトについて現場を見ながら学べるツアーでした。福岡や四国などはるばる遠方からの参加者含め、皆さんが奥州の文化と人の暖かさに触れ、すっかり♪米im♪My夢♪Oshu♪と奥州市のファンになったようです。地元からの参加者にとっては地域の魅力を再確認できる機会になったのではないでしょうか。私ももちろんファンになりました。このレポートを読んだことをきっかけに奥州や♪米im♪My夢♪Oshu♪に興味を持つ方が生まれたらとても嬉しいです。
 
※1 環境省事業平成27年度「地域活性化に向けた協働取組みの加速化事業」
民間団体、企業、自治体などの異なる主体による協働取組を実証するとともに、協働取組のプロセス、協働取組を推進していく上で必要なノウハウや留意点などを明らかにし、協働取組を行おうとする者の参考資料として共有することを目指しています。
 
 
※2 ♪米im♪My夢♪Oshu♪
 
 
(report Nasuno)