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活動のご報告

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<EPO東北>北海道インターンvol.3 北海道から福島を考える

2013.11.01 02:00

■インターン2日目・3日目(10/5(土)~6(日))

こちらの希望により、北海道で被災地支援に取り組む方へのヒアリングを行なわせていただきました。

【被災地の子どもを応援する会「ほんわか」】

話し手:「ほんわか」代表 田中いずみ氏

「ほんわか」ではホームステイ型の保養プログラムを実施しています。
会の発足は2011年9月のこと。福島市にいる友人との電話で、福島市内で原発の話はタブーになっていること、すぐに避難できたのは一部の家族だけで、ほとんどの家庭では家の中にこもり、運動不足で子どもたちが太ってしまった…という現状を聞いてショックを受けたのがきっかけだそう。
ホームステイ受け入れ経験のある主婦仲間が集まり、「被災地の子どもたちに何かしたい」との思いから会を立ち上げました。

特徴は、家計の負担にならない・気を張らない主婦視点の支援をしているところです。親戚のおじさん・おばさんの家に泊りに来る感覚で参加してほしい、とはいえ相手の姿が見えないのはこちらも保護者も互いに不安だろうと、募集前には必ず現地説明会を実施しているそう。また、保養だけではなく、子どもらしく今しかできないことをしてほしい、食べることの大切さや人とのかかわりを大切にしてほしいと、「お母さん」らしい想いをたくさん伺いました。
地元の企業、牧場、協働組合、農園、公共施設などたくさんの協賛者が無償で活動に協力してくださっている点もすばらしいところ。プログラム終了後には報告書を必ず手渡しでお渡ししているそうです。

「家でニュースを見せてもらえないけれど、福島で何が起きているのかを知りたい」と、貪るようにTVや新聞で情報を集める子どももいて、その様子はホストファミリーにとっても大きなショックだったとか。福島の子どもたちを受け入れることで、ホストファミリー自身も成長していると感じているそうです。
子どもとホストファミリーのつながりが今後も続き、大きくなった時にまた親戚の家を訪ねるようにホストファミリーの家に帰ってきてくれる関係性を築きたいのだと、夢が膨らみます。


【ふくしまキッズ】

話し手:NPO法人大沼・駒ケ岳ふるさとづくりセンター 事務局長 菊地敏孝氏

菊地さんは、ふくしまの子ども達の保養受け入れを行なう「ふくしまキッズ」に協力しています。「ふくしまキッズ」は最初から5年間は受け入れを継続することを決めて立ち上げたのだそう。保養受け入れそのものは各地で行われていますが、春夏冬と3回の長期休みすべてで受入を行なっているのは、ここ大沼だけだとか。
自然豊かな大沼で自然体験をしながら、子どもたちがやりたいことをやらせる自由なプログラムが特徴です。
「福島だから受け入れる」という素地ができてしまったと失敗談も伺いました。「福島だから」という大人たちの感情を感じとり、子どもたちも「福島から来た」と言えば優しくしてもらえると思ってしまっているとか。これからはジュースやハンバーグではなく、子どもたちに何を提供していくのかが課題だと仰っていました。

保養プログラムを実施しているプロジェクトは、どこも地域で広いネットワークを構築しています。何か気をつけていることはあるのかと尋ねると、市町村を越えていかに多くの団体とネットワークづくりができるかを大切にしているとのこと。まずは5年継続し、6年目以降は「ジャパンキッズ」と名前を変えて活動を展開していくことを目指しているそうです。

ヒアリング風景がナゼ野外なのかといえば、「木育フェスタ」というイベントの開催中に伺ったからです。
ヒアリング前に会場内をぐるりと案内していただきました。 用意された遊具ではなく自然の木にするすると登る子どもがいたり、木のブランコは順番待ちができるほどの人気ぶり。いろいろな道具で木を切ったり加工するゾーンも大人気。馬搬講座もしていたそう。会場には子ども達の楽しそうな声であふれていました。

東北以外の土地で被災地支援に取り組む方への、初ヒアリングとなりました。
みなさんのネットワークの広げ方や、活動を継続するために気をつけていることも勉強させていただきつつ。伝わっていない現地の情報、交流することで伝わる「福島」の姿などを感じ、EPO東北としても今後どう向き合いどんな情報発信をしていくべきかを考えさせられました。EPO東北スタッフと一度じっくり時間をとって話し合いたいと思います。

(report/Suzuki)

北海道インターンvol.1 協働取組事業 連絡会へ参加
北海道インターンvol.2 ラムサール条約登録湿地・大沼へ
北海道インターンvol.3 北海道から福島を考える
北海道インターンvol.4 北海道から福島を考える・その2
北海道インターンvol.5 EPO北海道フィールド体験