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活動のご報告

活動のご報告

<EPO東北>北海道インターンvol.4 北海道から福島を考える・その2

2013.11.01 03:00

■インターン5日目(10/8(火))

札幌でのヒアリングにはEPO北海道のスタッフ3名全員が同行。大震災の支援に取り組む皆さまに、こうしてじっくりお話しを伺うのは初めてのことだったそうです。

【東日本大震災市民支援ネットワーク・札幌「むすびば」】

話し手:事務局長 東田秀美氏
共同代表 みかみめぐる氏

大震災発生から5日後の3/16、何ができるかを話し合う場所が欲しくて開いた緊急集会に、なんと90名の市民が集まったそう。このうちの25名が中核を担い、3/25に団体が発足しました。
初動の速さに驚くと、明治以降、北海道と東北は縁故関係が深く、さらに岩手や宮城から避難者が来たことが背中を押してくれたのだと教えてくださいました。

「何かをしたい」と思っている札幌市民の受け皿として窓口を開設し、3/28には避難者を支援する「うけいれ隊」の活動を開始しました。札幌市と連携した他、現地に支援に入る団体とも連携することで現場の情報を得ていたそうです。5月になると、支援される一方ではなく一緒に活動したいという母子避難者が現れ、「支援者」「被災者」の垣根を越えた活動が始まります。
現地の状況を知った上での支援が必要であること、また北海道に避難した人がどう暮らしているのか避難先の状況を知りたいだろうと考え、2012年2月に福島で現地相談会を開催しました。事例紹介にはなんと600人もの人が集まり、こんなにも情報が伝わっていないのかと感じたそう。現地に行くことの大切さを痛感して以来、今も毎月福島に足を運んでいるそうです。 
現在は「むすびば」を作る6つのプロジェクト、法律をつくるロビー活動、全国の支援者を支える協議会の3つの大きな活動に取り組んでいます。

<6つのプロジェクト>
1)うけいれ隊:物資支援と生活相談での避難者支援活動
2)くらし隊:避難者が自ら活動するチーム
3)むすびば商店:被災地の障がい者施設で作られた商品を買い取り北海道で販売
         収益は被災地の障がい児・者のための保養プロジェクトに充当 4)みみをすますプロジェクト:子どもたちの保養プログラムを実施
5)いやし隊・気功チーム:仮設住宅の訪問、健康や癒しの場づくり
6)NPO法人おーるまいてぃ:発達障害、生活環境の変化からストレスを抱える親子の支援

「むすびば」は2014年3月で解散することを決めています。
3年が経ち、避難者自身が立ち上がっていることから、緊急性で立ち上げた団体は目的や使命を再認識する時期にきていると判断したとのこと。「むすびば」としての活動は本年度で終了し、今後は中期支援に本気で取り組むために組織を再編していきます。コンソーシアム方式でプロジェクトを進めてきたため、むすびばの個別のプロジェクトはそれぞれが自立して活動を継続できることから、各プロジェクトの継続・解散はそれぞれのチームの判断となるそう。

「桃栗3年、石の上にも3年と言うでしょう?3年というのはね、とても意味のある時間なのよ」という言葉が強く印象に残っています。「今どんな支援が必要なのかを見極め、その音頭をとるのが中間支援の役割」と心得て、団体を作ったときよりも丁寧に「発展的な解消」に取り組むのことを今後の課題としています。
最後に、「札幌市民がこれだけのことをできたのは大きな財産だと思っている」と仰っていました。また、多くの支援団体が活動の継続か、解散か、発展解消かの判断がなされる時期であることを考えると、EPO東北が継続している「3.11あの時」も語れるのは今しかない、と背中を押してくださいました。EPO東北としても、3年を区切りにこれまでの「3.11あの時」ヒアリング・レポート配信を終了することを決めています。では来期以降、大震災に今後どう向き合っていくのか、スタッフ間でしっかりと議論していきたいと思っています。

(report/Suzuki)

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