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活動のご報告

活動のご報告

<催事参加>第3回Kazami Cafe-Lab/2013.10.18

2013.11.02 00:00

「Kazami Cafe-Lab」では宮城大学風見正三教授の提唱するコミュニティビジネス、ソーシャルビジネス、持続可能なまちづくりの理論と実践を学びながら、その思想に共感する同志のイノベーター、クリエーター、アーティストなどが集い、志の連鎖を生み出していく場を提供しています。10月18日に行なわれた第3回Kazami Cafe-Labに参加してきました。

日時:2013年10月18日(金) 第1部 14:00-16:00 第2部 19:00-21:00
場所:ファシュタ/Forsta  (仙台市青葉区大町1-4-10 ココエステート大町ビル1階)

■第1部 伝統産業の伝え手と作り手

前半は、株式会社和える代表取締役の矢島里佳さんと風見正三教授の対談が行なわれました。株式会社和えるでは、子どもたちに日本の伝統をつなげるため、0~6歳向けの伝統工芸を取り入れた日用品の企画販売を主に行なっています。和えるの商品は、古き日本の伝統産業に現代の生活にとけこむデザインと機能をまさに「和えた」ものです。そのため、赤ちゃんや子どもたちにやさしく、大人にも使いやすい設計になっています。子どもが和えるの商品を使うことで伝統を知り、伝統の良さを知った状態で大人になる…。和えるは子どもたちが幼い頃から自然と本物の伝統に触れられると循環の仕組みをデザインすることで、伝統をつなげていくことを目指しています。
後半は前半に引き続き矢島さんと風見教授、そして株式会社門間箪笥店専務取締役の門間一泰さんの鼎談が行われました。門間箪笥店は創業以来140余年、変わらぬ場所で製造を続ける唯一の仙台箪笥製造元です。そして、仙台箪笥は元々伊達藩の武士用の箪笥として作られた豪華な箪笥で、簡単に真似できない技術で継承されています。しかし、近年では桐の箪笥を使う人が少なくなってきているそうです。古き良き日本の伝統技術を伝えていくため、伝統技術が現代のライフスタイルに自然に入り込むアイディアを掛け合わせることで、現代の人々が使いやすいものができるのではないかと話されていました。
対談、鼎談を聞いたことで、日本人として伝統産業の良い所をきちんと知り、その上で何を購入するのかを選べる人になりたいと思いました。

■第2部 対話の場をデザインする

前半は、NPO法人ミラツク代表理事の西村勇也さんと風見教授の対談が行なわれました。西村さんは全国各地で、次世代を担う社会的なリーダーやイノベーターの育成とセクターを超えた協力を生み出すためのマルチステークホルダーの対話の場づくりに取り組んでいます。以前より、異質なもの同士が出会うことで新しいものが生まれると感じ、出会いの場として対話をデザインする仕事を始めました。対話によって頭の中にあるアイディアを外に出すことで、自身と向き合うこともできると考えているそうです。個人の持っている想いや考えを対話によって形にすることが大切であり、そこで生まれる形に興味を持っているとおっしゃっていました。
後半はフラスコイノベーションスクールの卒業生2組によるプレゼンが行われました。フラスコイノベーションスクールは「復興の過程で生まれる新たな需要に対応した多彩なビジネスの創出や、復興プロジェクトの担い手を目指す起業家の育成」を目的とした社会起業家育成スクールです。1組目の松村正子さんは多賀城で地域の良さをアピールできるコミュニティカフェで震災復興に貢献したいそうです。2組目の田園都市構想研究会は田園都市構想をもとにしたまちづくりのノウハウを研究し、実際に地域でプロジェクトを実施し、その過程をメディアで発信することで持続可能な社会につなげたいと考えているそうです。発表後は、問題解決の仕掛けは何か、先行事例を調査すべきなど、発表に対しての意見交換が行われていました。

「対話の場とは本質を見出せる場」という言葉が印象的でした。私にとって対話の力を認識する良い機会になりました。

(report/Ogino)