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活動のご報告

活動のご報告

<EPO東北>平成25年度 再生可能エネルギー交流会 薪部会/2013.12.11

2013.12.11 00:00

EPO東北では、平成23年度より再生可能エネルギーを主題とする分野を超えた交流会を3回に渡り開催し、東日本大震災時に再生可能エネルギーが果たした役割等の情報共有や今後の可能性に関して、再生可能エネルギーに携わる東北各地の方々と議論を重ねてきました。この交流会は、これまでの交流会参加者から分野ごとの交流会開催や開催継続を希望する声が多く見られたことを受けて開催しました。

日程:2013年12月11日(水)
時間:10:30~16:30
会場:AER6階/情報・産業プラザ セミナールーム(2)A
参加者:薪をテーマに活動する団体や企業等
内容:薪に関する話題提供とランチミーティング(話題提供を受けて質疑応答など)、グループディスカッションによる意見交換

■話題提供

①「私たちの暮らしと薪利用」
新妻弘明先生(日本EIMY研究所所長、のこぎりスト)写真左
②「瓦礫薪による(避難所)支援から復活の森づくりへ」
深澤光氏(岩手県花巻市在住 薪割りスト)写真右

はじめに、新妻先生と深澤さんから話題提供をしていただきました。
新妻先生からは、現代は当事者性が欠如した自分ではどうすることもできない社会になっており、これからは地域の暮らしや生業を通してエネルギーを考え、少しでもエネルギーを自給する側になることが重要であるというエネルギーに対する概念をお話しいただきました。また、深澤さんからは東日本大震災発生後の避難所における薪を利用した取り組みや11月3、4日に行なわれた「復活の薪まつり2013」などの実践事例についてお話しいただきました。

参加者の皆さんからは「地域はさまざまな色を持っており、地域を技術に合わせるのではなく、技術を地域に合わせるべきという話は大事なことである。」と新妻先生の視点に共感する声や「現場の話が参考になった。」「震災後の活動は地域や住民の方と取り組んだことが成果に至ったのだと思う。」など深澤さんの具体的な活動のお話が勉強になったという声が聞かれました。

■ランチミーティング(話題提供を受けて質疑応答など)

ランチミーティングでは、話題提供に対する質疑応答から教育に関する話題に発展していきました。新妻先生の「当事者の気持ち」や深澤さんの「子どもたちに薪ストーブの良さを伝えたい」という言葉を受けて、「薪の良さを子どもたちに伝えたいけれども、長い間、薪に触れられるような機会がない子にはなかなか伝わらないのではないか」と危機感を持つ声が出され、その課題に対して他の参加者の方からは「感じる心を育てる幼い頃の情動教育が必要だ」「目的なしで行動する体験の場が大事だ」などの意見が出ていました。

■グループディスカッション

テーマ①「放射能に関して」
テーマ②「連携について」

薪をテーマに活動する皆さんが抱えている課題や他の団体の皆さんと議論したいテーマを共有し、グループディスカッションのテーマを2つ決めました。その後、2つのテーマについて、グループに分かれ意見交換を行ないました。

放射能に関しては、「一部で高い数値が出ると全てがダメになる」「子どものことを考えると不安もある」など、日頃思っていること・感じていることの共有を行ないました。情報共有や議論を通して、東北各地で放射能に対する意識の違いがあることが分かり、整理がついていない問題であるため、これからも話し合いの場が必要であることが言われました。

連携については、お互いの団体の活動内容を共有し、今後どのようなネットワークを作ることができるか意見交換を行ないました。かつて薪は売れない資源のひとつだったそうですが、震災の影響もあり、薪ストーブのユーザーは増えて薪の需要があるそうです。薪が置かれている状況がどんどん変化している中で、東北の特質である薪を活かしていくためには、情報交換などを行なって小さいグループが取り組みを続けていける環境を作ることが大切ではないかと感じました。議論の中では「東北のネットワークを作れないか」など発展的なお話も出ていたので、この交流会がきっかけとなり、東北における薪の人々のネットワークが今後広がっていけば良いなと思います。

(report/Oyamada)