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活動のご報告

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<活動協力>GreenGiftプロジェクト(宮城県)第1回「被災した北上川のヨシ原を再生!」/2016.6.5

2016.06.24 18:15

 6月5日(日)に宮城県石巻市でGreenGiftプロジェクト(※)のプログラムが実施されました。
 第1回「被災した北上川のヨシ原を再生!~ヨシペン作ってハガキを書こう~」の当日の様子をご報告します。
 
日時:2016年6月5日(日)8:00~16:45
場所:北上川河口付近(宮城県石巻市)
主催:公益財団法人みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)、NPO法人りあすの森、NPO法人環境生態工学研究所
共催:日本NPOセンター
協力:有限会社熊谷産業、環境サークルたんぽぽ、東北環境パートナーシップオフィス(EPO東北)
協賛:東京海上日動火災保険株式会社
後援:環境省、宮城県
 
 当日、参加者は仙台駅に集合し、石巻に向けてバスで出発!バスの中で、GreenGiftプロジェクト概要や第1回の目的について説明が行われました。プログラムの開催場所となった北上川河口には、両岸約10キロメートルに渡ってヨシが群生しており、そのヨシは良質な茅材として伝統的な建築物に利用されてきたそうです。ところが、約5年前の東日本大震災の津波と地盤沈下により、ヨシ原の約半数が失われてしまいました。今回のプログラムは、その広大なヨシ原の再生のために企画されています。
 北上川河口に到着し、水辺環境保全を専門とする山田一裕教授(東北工業大学工学部)の説明を受けながら、自生しているヨシを根元から掘り起こして生えていない場所へ植えかえるという作業を行いました。湿地で足元が不安定な中、スコップを使って穴を掘ったり、ヨシの苗木を運んだり。少し大変な作業でしたが、皆で「こちらに苗木を持ってきてくださ~い」などと声をかけ合いながら協力して植えたヨシを眺めると、達成感で疲れもどこかへ飛んでいきそうです。
 植栽作業の後は、ヨシ原の再生・保全に取り組んでいるNPO法人りあすの森・(有)熊谷産業・NPO法人環境生態工学研究所の方から、ヨシの役割や保全活動の内容についてお話を伺いました。北上川河口は海水と淡水が入り混じる汽水域で、その微妙な水域がヨシを固く丈夫に育てるそう。また、ヨシ原は水質を浄化する役割もあり、絶滅危惧種のトンボや鳥類が確認されている貴重な湿地環境としても注目されています。
 
 お話を聞いた後はヨシを利用したペン作りを行い、自分で作ったヨシペンでハガキを書きました。ヨシの先をカッターで削って細くするのですが、ヨシは固いので皆さんなかなか難しかった模様。でも大変だった分、ヨシペンに対する愛着はひとしおのようでした。
 参加者の皆さんからは「宮城県の出身なのに、ヨシ原について全然知らなかった」「失われたものを回復させるには、時間・人の手が必要だということを知りました」などの声が聞こえてきました。このプログラムをきっかけに、北上川河口のヨシ原について、そしてこの地域の人々が守ってきた地域の資源を継承していくことの重要性について、関心を持ってくださる方が増えたのではないかと思います。
 
 
 プログラムは全2回で、次回は別な内容で9月24日(土)に開催される予定です。宮城県内にお住いでご関心のある方は下記のリンク先をご確認ください。
 
 
※「GreenGift」プロジェクト…東京海上日動火災保険株式会社が、ご契約時にお客様に「ご契約のしおり(約款)」等をホームページで閲覧する方法を選択いただくことにより、削減した紙資源の使用量策減額の一部で環境保護活動をサポートするものです。2013年より各地域の環境NPOと協力して、主に子どもたちとそのご家族を対象とした環境保護に関する体験活動を行います。環境保護に関する体験活動を通じて、子どもたちが身近なところから環境について考えるきっかけを持つことによって、持続可能な社会が実現することを目指しています。
 
(report/Oyamada)