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活動のご報告

活動のご報告

<EPO東北>平成25年度 再生可能エネルギー交流会BDF部会/2014.2.20

2014.02.20 00:00

EPO東北では、平成23年度より再生可能エネルギーを主題とする分野を超えた交流会を3回に渡り開催し、東日本大震災時に再生可能エネルギーが果たした役割等の情報共有や今後の可能性に関して、再生可能エネルギーに携わる東北各地の方々と議論を重ねてきました。この交流会は、これまでの交流会参加者から分野ごとの交流会開催や開催継続を希望する声が多く見られたことを受けて開催しました。

日時:2014年2月20日(木)13:30~17:00
場所:東北環境パートナーシップオフィス(EPO東北)会議室
参加者:BDFをテーマに取り組む団体等
内容:(1)開会挨拶および趣旨説明(東北地方環境事務所)
   (2)話題提供①「BDF技術面の現状と問題点」
   (東北農業研究センター 野中章久氏、小野洋氏)
   (3)意見交換(課題等の共有)
   (4)話題提供②「震災から見えてきたバイオディーゼル燃料の可能性」(弘前大学 農学生命科学部 准教授 泉谷眞実氏)
   (5)意見交換(東日本大震災の反省を踏まえ、今後必要な体制等について)
   (6)講評(日本EINY研究所 所長 新妻弘明氏)
   (7)閉会

■話題提供①および意見交換(課題等の共有)

はじめに、東北農業研究センターの野中さんと小野さんより、BDFの技術面の現状と問題点などについて話題提供をしていただきました。BDFを生成するアルカリ触媒法は化学的に非常にシンプルな反応であるため、原料である廃食油の品質がそのままBDFの品質に影響するそうです。品質調査の結果、一般家庭の廃食油は非常に酸価※が低いことが分かっているという話を聞いて、参加者の皆さんは「作業の中で感じていたことが、データで示されて納得できた」などBDF製造の現場で日頃感じていることの確信を得られたようでした。また、廃食油回収の際はどのような働きかけを行っているのか、他の回収業者との競合などについて情報交換が進みました。

※品質調査は酸価を指標にしている。低いほど品質が高い。

■話題提供②および意見交換(東日本大震災の反省を踏まえ、今後必要な体制等について)

次に弘前大学の泉谷先生よりBDFの特質と震災から見えてきたBDFの可能性についてお話しいただきました。BDFの特徴として、熱供給ができ、輸送用燃料としての利用、発電機の燃料として利用することで発電も行えることを鑑みると、太陽光や風力発電と比べて汎用性が高いと言えます。また化石燃料と違って、市場ベースではなく、関係者同士の関係性ベースで取引が行われていることから、緊急時には量や用途を関係主体間でコントロールすることが比較的可能であることが指摘されました。参加者の皆さんからも「どこの事業所がどのくらい原料を持っているかなどの情報が震災時にあると良かった」「各地域のBDFの現状を把握して、東北全体で集まった時に持ち寄って共有できると良い」などの意見が出ており、顔を合わせた情報交換や共有の必要性が言われました。

■講評

最後に日本EINY研究所の新妻先生より、現代社会はエネルギーをつくる人、売る人、使う人がばらばらに切り離されているので、東日本大震災で力を発揮したBDFの絆ベースの関係を全国に発信していけると良いと講評をいただきました。

(report/Oyamada)