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活動のご報告

活動のご報告

<EPO東北>東北地方ビジターセンター交流会を開催しました/2018.6.4

2018.08.28 09:45

東北管内のビジターセンターの横の連携を広げることを目的に、関係者を対象とした交流会を仙台市内で開催しました。
 
日時:平成30年6月4日(月)11:00~17:00
会場:仙都会館5B(宮城県仙台市)
参加者:東北管内ビジターセンター職員・講師等 34名
主催:EPO東北
 
内容:
(1)開会あいさつ
 東北地方環境事務所 所長 小沢晴司氏
 
(2)各団体紹介
 各ビジターセンターから事前に提出してもらった団体紹介のペーパーを1冊にまとめ、紹介ブックとして共有しました。
 
 
 
(3)話題提供①「地域の自然と人、学びをつなぐ~ESD・SDGsの文脈から~」
講師:GEOC 尾山優子氏
 ESD・SDGsの概要や特徴、ビジターセンターが地域のESD拠点として活用されている事例についてお話いただきました。那須高原ビジターセンターでは「Natural and Artistic Sacred Univers」~那須染め~の企画展示が行われています。那須染めとは、不要となった素材(例えば農作物の葉や茎や枝等の食べない部分、動物のフン、畑土、伐採した木など)を地域の農家やレストランなどから提供してもらい制作している染物で、自然とくらしのつながりを見ていただく展示がESD推進となっていると紹介されました。
 
(4)話題提供②「ESD、生物多様性と普及啓発活動」
講師:環境省東北地方環境事務所 次長 常富豊氏
 生物多様性と普及啓発の観点からESD・SDGsについてお話していただきました。「生物多様性の保全」は抽象的な概念であるため捉えにくいですが、ある地域の自然資本の持続可能性の確保という意義で捉えることができます。種の保存だけではなく、その種が生息する環境そのものを守ろうという段階に来ており、現場でその地域の自然環境の持続可能性をどう確保すればよいかについて学びの機会を提供しているビジターセンターはESDの場として優れています。すでにビジターセンターで行われている取組は、SDGsと大きな関わりがあるとお話しされました。

(5)話題提供③「東北の災害復興とSDGs」
講師:環境省東北地方環境事務所 所長 小沢晴司氏
 ESD・SDGsとビジターセンターの関わりについてより深めるべく、福島の震災復興にポイントを置きお話していただきました。福島の子どもたちが県外へ出て行っても、放射能の話題に負けず、堂々と自分のことを話せるよう、地域の歴史や文化、自然環境などの魅力を伝える教育が重要です。ビジターセンターの取組で言えば、行政の都合で話すのではなく、それぞれの施設が立地している地域の営みや生業などの背景をよく知り、それを発信することが自然教育やESD・SDGsだろうと締めくくられました。
 これらの話題提供を受けて、白川氏は次のようにまとめました。ネガティブに言えば課題となることも、ポジティブに考えれば地域の特性となります。那須染めは、まさに地域資源であり、カラフルさからその地域の多様な種を確認することができます。また、那須では多様な種の保存が行われているということになるでしょう。そして、それを地域の人々の気持ちに即してどう見せていくのか考えるのがビジターセンターの仕事ではないかと投げかけました。
 
 
(6)意見交換ワークショップ
話題提供・ファシリテーター:北広島町立 芸北 高原の自然館 白川勝信氏
 (1)~(5)のプログラムの感想や共感したキーワード、理解しにくかった部分などを各グループで話し合いました。
 続いて、ビジターセンター等で行われている取組が、SDGsのどのゴールにつながるかを考えていただきました。ビジターセンターの取組は、17のゴールに当てはまるものが多いと感じる参加者が多く、ビジターセンターではすでにSDGsに向けて取り組んでいるのだと確認することができました。また、自分たちの取組に当てはまらない項目については、取り組んでいる人や団体と協働することでSDGsのゴール17「パートナーシップ」も達成され、今後新たな展開が生み出される可能性にも触れました。
 
 白川氏からは、里山の木を切り出し地域通貨に換えて地域で循環させる「芸北せどやま再生事業」の事例を紹介していただきました。参加者からは「地域の特性を生かした取組を知ることができてよかった」との感想が寄せられました。 最後に、各地域で取り組めることはないか、取り組めない場合はその理由は何か、現在抱えている課題と今後の交流会で話したいテーマについて全体で意見交換を行いました。

(7)閉会あいさつ
 東北地方環境事務所 環境対策課 課長 伊藤進氏
 
 EPO東北では11月頃に第2回目の交流会を予定しています。
Report/Ishikida)