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活動のご報告

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<EPO東北>ESD研修会in愛媛「東日本大震災から学ぶ地域の伝承・地名」/2014.11.21

2014.12.25 14:05

 愛媛県八幡浜市において、地域の伝承・地名を切り口としたESD研修会を開催しました。
 先人たちが残した伝承や地名。それらには自然と共に生きてきた先人たちの知恵が残されています。持続可能な地域へ向けて、EPO東北では東北の知恵を受け継ぐ伝承や地名を重要な観点と捉え、平成24年度より、伝承や地名に詳しい方々や、地域の情報を発信しているローカルメディアに携わる方々とともに、いかに東北の知恵や学びを伝えていくかについて意見交換を行ってきました。今年度は、そうした東日本大震災からの東北の学びを、ほかの地域の方々にも活かしていただければと、四国で研修会を開催しました。
 
日時:2014年11月21日(金)13:00~16:30
場所:八幡浜みなっとみなと交流館
参加者:東日本大震災や地域伝承・地名、まちづくりに関心のある教員や高校生、大学生など
主催:八幡浜みなっとみなと交流館、四国環境パートナーシップオフィス(四国EPO)、東北環境パートナーシップオフィス(EPO東北)
共催:NPO法人えひめリソースセンター
後援:環境省中国四国地方環境事務所高松事務所、愛媛県、八幡浜市教育委員会、伊方町教育委員会、宇和島市教育委員会、大洲市教育委員会、西予市教育委員会
 
内容:
(1)開会
(2)講話①「東日本大震災と持続可能な社会」
   新妻弘明先生(東北大学 名誉教授 日本EIMY研究所 所長)
(3)講話②「東日本大震災を経て見えてきた新たな価値観」
   後藤一磨氏(福興市・語り部プロジェクト)
(4)講話③「四国で考える伝承と防災」
   松尾裕治氏(香川大学防災教育センター、四国防災共同教育センター(併任)特命教授)
(5)パネルディスカッション
  進行:松原裕樹氏(NPO法人ひろしまNPOセンター)
  パネリスト:
   木村謙児氏(八幡浜みなっとみなと交流館館長)
   鬼村はるか氏(学生ボランティア団体OPERATIONつながり)
   新妻弘明先生(東北大学名誉教授、日本EIMY研究所所長)
   後藤一磨氏(福興市 語り部プロジェクト)
   松尾裕治氏(香川大学防災教育センター、四国防災共同教育センター(併任)特命教授)
(6)閉会挨拶/環境省高松事務所
 
 前半は、東北地方の新妻先生と後藤氏、四国地方の松尾先生の講話が行われ、東日本大震災で検証された「伝承」に関する具体事例と、四国の「伝承と防災」に関する研究事例を共有しました。後半は、前半で講演をしていただいた3名に、八幡浜みなっとみなと交流館の木村館長と、広島の土砂災害支援活動にかかわった鬼村氏を交え、会場の参加者の感想から拾い上げたキーワードや質問に焦点を当ててパネルディスカッションを行いました。
 
 参加した方々からは、「“防災”とは自然災害に対してどう被害を防ぐかだと思っていたが、自然災害の中で起こる“人災”を防ぐことが大事だと気づかされた」「宇和の歴博の縄文遺跡のところに、日土と須川から出土したものが展示してあった。そのことからかつて住みやすい場所であったと気づいた。」「防災もまちづくりも人と人とのつながりが大切である。助け合い連携することが必要だと改めて認識した。」などの声がありました。いつ、どこで起こるか分からない自然災害。今回の研修会の伝承や地名から自分たちの地域を見つめ直すという視点、東北の学びが、八幡浜市の皆さんにとって自分たちの地域について考える機会のひとつとなれば幸いです。
 
(Report/Oyamada)